「断熱材は何を使っていますか?」
ショールームの見学や完成見学会などでよく質問されますし、断熱のこだわりはルピナスハウスの特徴でもあります。
断熱性能=断熱材
と思われがちですが、断熱材の種類よりも大切なことがあります。
そこを説明するために、まずはどんな断熱材があるかを紹介していきます。
断熱材の種類
大きく分けて2種類に分類されます。
●繊維系断熱材
●発泡プラスチック系断熱材
さらにそこから3種類ずつの断熱材に分けられます。
繊維系断熱材 | 発泡プラスチック系断熱材 |
グラスウール | フェノールフォーム |
ロックウール | 硬質ウレタンフォーム |
セルロースファイバー | ポリスチレンフォーム |
【繊維系断熱材】
| 原材料 | メリット | デメリット | 熱伝導率 |
グラスウール | ガラスが主原料。細い繊維同士が絡まり、空気の層を内部に持たせる | 価格が安い、燃えにくい | 湿気に弱い、施工が難しく施工によって性能が変わる | 0.05~0.038 |
ロックウール | 玄武岩、鉄炉スラグなどに石灰などを混合し、溶解し生成される人造鉱物繊維 | グラスウールよりも断熱性能は上、燃えにくい | 吸湿することで、著しく断熱性能が低下する、施工性はグラスウール同様 | 0.045~0.035 |
セルロースファイバー | 新聞紙をリサイクルした木質繊維 | 施工密度が高いので断熱欠損が生じない、燃えにくい調湿性、吸音性、防虫効果、環境に配慮された断熱材。 | 価格が高い、施工には専門の職人さんと専用の吹込み機械が必要 | 0.040~0.038 |
グラスウール・ロックウール
グラスウールは安価で日本の住宅では一番使われている断熱材です。どちらの断熱材も透湿性があるため、家の壁をリフォームの際に開けてみると湿気を吸って重みで沈んでいたり、結露によるカビなどが多く見受けられ、これらの断熱材の正しい施工法がいかに難しいか。。。しっかりと密度のあるもので細かいところまで充填し、防湿シートも必須です。施工不良だと冷暖房が効きにくくなると電気代が掛かかり、低コストで施工できてもランニングコストがかかるのであれば元も子もありません。せっかく建てた家なのにカビと暮らすことにならないためにも、きちんとした施工がされているかを必ず確認してほしいです。
セルローズファイバー
セルロースファイバーの特徴としては、製造・廃棄過程で負荷が少なく自然素材ならではの調湿性能を持ち、グラスウールよりも高い防音効果を備えつつ、防虫効果、火にも燃えにくいという特徴があります。セルロースファイバーは自然素材の断熱材という特徴に加えて断熱性の以外のプラスアルファの効果が多い、数少ない断熱材といえます。 専門の職人が機械を使って現場で壁の中に吹き込んでいく断熱材なので素材にプラスして施工も専門の職人が担当するのでコストが高くなってしまう点がありますが、責任施工で隙間なくブローウィングするので、施工性は高い断熱材といえます。
【発泡プラスチック系断熱材】
| 原材料 | メリット | デメリット | 熱伝導率 |
フェノールフォーム | フェノール樹脂に、発泡剤や硬化剤を加えた断熱材 | 耐水性があり、隙間がでにくく気密性が高い。燃えにくく有害なガスが発生しにくい。 | コストが高い、丁寧な施工が必要 | 0.22 |
ポリスチレンフォーム | ポリスチレン樹脂と発泡剤でできた原料ビーズを発泡成形させた断熱材でいわゆる発泡スチロールと同じ。 | 水を吸わないので結露がおきにくい。軽いので施工しやすい。燃えにくく有害ガスが少ない。 | 繊維系断熱材に比べると、熱に弱い | 0.040~0.022 |
吹付硬質ウレタンフォーム | ポリオールとポリイソシアネートとを主成分として、樹脂化させながら発泡させたもの。 | 耐水性があるほか、自己接着性があり隙間がでにくく気密性が高い。 | 燃焼時に有毒なガスを発生させる。解体に手間、処分費が過大にかかリサイクルできない。 | 0.040~0.034 |
フェノールフォーム
フェノールフォームは防火性に優れていて火を当てても炭化するだけで煙や有毒ガスを発生させることがほとんどないため、家の断熱材として使われるケースが増えてきています。形状は板状のもので、石膏ボードと一体になったものや予め必要なサイズにカットされた物など工事の手間を減らすような商品も有ります。
ポリスチレンフォーム
ポリスチレンフォームには「ビーズ法ポリスチレンフォーム」と「押出法ポリスチレンフォーム」の2種類があります。ビーズ法は簡単に言うと発泡スチロールをイメージしてもらえば分かりやすく、発泡スチロールの入れ物はクーラーボックスの代わりによく使われますよね。そして発泡スチロールはよく見ると丸いビーズが沢山固まっています。そんな丸いビーズを固めたものなのでビーズ法ポリスチレンフォームと呼ばれています。そして軽量で緩衝性が高いので家の断熱材としても使われています。また、押出法ポリスチレンフォームは板状の断熱材となり、加工しやすい割に硬質で圧力に耐えられるため、外断熱や床下断熱材によく使われます。
吹付硬質ウレタンフォーム
熱伝導率が低く、高い断熱性能を持ち合わせます。また、水に強く劣化しにくいのも特徴の一つです。密着性が高く隙間ができにくい特徴があるものの、一度施工するとはがすことは困難です。また、建築現場で発泡させるウレタン断熱材は、ウレタン吹き付け工事をする作業者の熟練度や腕次第で厚みにバラツキがある場合があるので施工要領にも注意が必要です。発泡ウレタンは、燃えると有毒ガスである「シアン化水素」を発生します。万が一、住宅が火災にあった際に、一酸化炭素中毒で逃げ遅れてしまう可能性が上がってしまうことを忘れないようにしましょう。
そのほかにも、種類がたくさんある断熱材ですが、総じていえることがあります。
断熱材を施工する上で一番大切なこととは?
●どんな断熱材でも施工精度が悪ければスペック通りの性能が発揮できない
●いくら熱伝導率が低い断熱材を選んでも、隙間が大きければ断熱性能は担保されないということ
上記のことから、「施工の正確さ」「隙間ができにくい断熱材」を選ぶことがなにより大切なのではないかと思います。
また改めて弊社の断熱材についてもご紹介させていただきますね。
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